みちびきL1S信号仕様書の更新(IS-QZSS-L1S-006)
はじめに
準天頂衛星みちびきは、測位信号だけでなく、測位精度を高め、また、災害情報を伝達するL1S信号も伝達しています。このL1S信号の新しい仕様書IS-QZSS-L1S-006が、2023-10-25に公開されました。
みちびきL1帯信号の再編
現在、みちびき2(QZS-2)、3(QZS-3)、4(QZS-4)、および、初号機後継機(QZS-1R)が利用可能です。将来のみちびきは、2027年までに7機体制になり、その先には11機体制になる予定です。そして、7機体制の放送予定信号が公表されています。
新しいQZS-5, 6, 7では、L2帯信号での測位信号を放送しません。新みちびき衛星の稼働とともに、最も広く用いられている測位信号L1 C/A信号が、全みちびき衛星において、L1 C/B信号に移行することが予定されています。
また、QZS-5, 6, 7衛星からは、L1S信号が放送されないことになっています。混み合っているL1周波数帯の信号数を増やさないとのことです。その代わり、QZS-6とQZS-7からは、QZS-3と同じように、SBAS(エスバス、航空機向けの測位担保や測位精度を高める信号、satellite-based augmentation system)信号が放送されます。
みちびきL1S帯信号への再編の反映
新しく公表された、L1S信号の仕様書IS-QZSS-L1S-006では、QZS-5, 6, 7などを想定していたPRN(擬似雑音: pseudo random noise)番号187, 188, 190, 191が削除されました。
旧仕様書IS-QZSS-L1S-005
新仕様書IS-QZSS-L1S-006
また、新仕様書では、5.5.3.4節として、L1S信号独自の大気遅延補正(differential tropospheric delay correction)の記述が追加されています。
おわりに
新しいみちびき衛星QZS-5, 6, 7からは、L1S信号が放送されないことになっていて、新しい仕様書にも反映されました。一方、残ったL1S信号にて、気象情報以外の災害情報伝達が予定されているそうです。新しい制約は寂しいですが、一方で、将来のみちびき衛星を楽しみにしています。
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