RTK基準局(GNSS観測局)

概要

研究室への不正侵入があり、電波観測が困難になりました。再開までしばらくお待ちください。

測位衛星システム(GNSS: global navigation satellite system)の電波観測を行っています。この観測データは、リアルタイムストリームおよびアーカイブにて、インターネットに公開しています。このリアルタイムストリームとして、RTCM(Radio Technical Commission for Maritime Services)形式も利用していますので、RTK(realtime kinematic)基準局としても利用可能です。

なお、この設備は研究のためのものです。利用できないこともあることをご了承ください。

参考:RTK基準局(旧ページ)

このインターネット公開データには、リアルタイムストリームと、アーカイブデータとがあります。

リアルタイムストリーム

(1) 接続情報

このリアルタイムストリームは、NTRIP(エヌトリップ、Networked Transport of RTCM via Internet Protocol)形式を用いています。この形式は、インターネットでのGNSS観測データ公開では一般的なものです。

この観測データは、どなたでも、事前連絡なしに、無料でご利用いただけます。引用される際は、このページのURLを用いてください。

接続情報は次の通りです。

項目内容
アドレスntrip.rnav.info.hiroshima-cu.ac.jp(165.242.117.17)
ポート80 (TCP)
形式NTRIP version 1
ユーザ名なし(空欄)
パスワードなし(空欄)

(2) RTCM形式ストリーム

リアルタイムストリームは、RTKなどに用いるためのRTCM 3.2形式と、測位解析などに用いるための受信機に固有な生データ形式とがあります。RTCM形式リアルタイムストリームのマウントポイントは次のとおりです。

マウントポイントOEM7F9P
受信機NovAtel OEM729u-blox ZED-F9P
衛星システムGPS, GLO, GAL, QZS, BDS, IRNGPS, GLO, GAL, QZS, BDS
周波数帯L1, L2, L5L1, L2
信号GPS: L1C/A L2PCL L2CM L5Q
GLO: L1C/A L2P L2C/A L3Q
GAL: E1C E5aQ E5bQ ALTBOCQ E6B
QZS: L1CA L2CM L5Q
BDS: B1I B1C B2a B2B B3I
IRN: L5SPS
GPS: L1C/A L2C
GLO: L1OF L2OF
GAL: E1B E5bI
QZS: L1C/A L2C
BDS: B1I B2I

アンテナ座標は、北緯 34.4401061 度、東経 132.4147804 度、楕円体高 233.362 mです。このアンテナ座標は、RTCMメッセージタイプ1005にて、自動設定されるようにしています。この座標は、2021年3月13日から17日にかけて、国土地理院電子基準点「広島2A」を用いて決定した元期座標です。使用アンテナは、Javad GrAnt-G5Tです。

配信RTCMメッセージは次の通りです。

メッセージタイプメッセージ内容マウントポイントOEM7マウントポイントF9P
1005Station coordinates11
1019GPS Ephemerisonchangedonchanged
1020GLONASS Ephemerisonchangedonchanged
1033Receiver and antenna descriptor11
1041NavIC Ephemerisonchanged
1042BDS Ephemerisonchangedonchanged
1044QZSS Ephemerisonchangedonchanged
1045Galileo Ephemeris F/Nav (Free Navigation)onchanged
1046Galileo Ephemeris I/Nav (Integrity Navigation)onchangedonchanged
1077GPS MSM711
1087GLONASS MSM711
1097Galileo MSM711
1117QZSS MSM711
1127BeiDou MSM711
1137NavIC MSM71
1230GLONASS L1/L2 code biasonchangedonchanged

ここで、数値1はメッセージ間隔が1秒であることを、また、onchangedは受信できた時点での配信を、それぞれ意味します。エフェメリス(ephemeris)とは衛星が報知する衛星座標や時刻などの情報であり、MSM7(Full pseudo-ranges, carrier phases, Doppler and signal strength, high resolution)は観測した衛星信号を表します。

PPP測位に必要なアンテナ位相中心を自動設定するため、メッセージタイプ1033を配信しています。しかし、スペースを含むメッセージを配信できなく、アンテナ名を正しく表現できないため、今の所、この自動設定はできません。

(3) 受信機生データストリーム

受信機生データとそのアーカイブを公開しています。マウントポイントとアーカイブリンクは次のとおりです。

マウントポイント-F9PRCLASMADOCAHASB2B
受信機NovAtel
OEM729
u-blox
ZED-F9P
Allystar
HD9310C
Allystar
HD9310C
NovAtel
OEM729
Septentrio
mosaic-X5
信号名(multiple)(multiple)QZSS L6DQZSS L6EGalileo E6BBeiDou B2b
生データ名(multiple)UBX-RXM-RAWX
UBX-RXM-SFRBX
QZSS L6 Raw (0x10)QZSS L6 Raw (0x10)GALCNAVRAWPAGEBDSRawB2b
アーカイブoem7f9pclasmadocahasb2b

観測データアーカイブ

上述の生データアーカイブは、ウェブブラウザや、curlなどのコマンドラインツールから、利用できます。ディレクトリ配置は次の通りです。

YYYYMM/
    YYYYMMDDa.ext
    YYYYMMDDb.ext
    ...
    YYYYMMDDw.ext
    YYYYMMDDx.ext

YYYYは西暦、MMは月、DDは日であり、次のaからxまでの英子文字は0時から23時までのコード、extは拡張子をそれぞれ表します。

なお、時刻は世界協定時(UTC: coordinated universal time)であり、日本標準時(JST: Japan standard time)よりも9時間だけ遅れています。すなわち、JSTでの8時は、UTCでの前日の23時になります。