RTK基準局

更新された情報がRTK基準局(GNSS観測局)にあります。

概要

RTK(Realtime Kinematic)基準局を設置しました。

RTKは、緯度経度の既知な「基準局」でのGNSS電波観測結果を利用して、移動局にて数センチメートル精度での測位を目指す方法です。基準局でのGNSS信号観測結果をインターネットや移動無線通信などにより移動局に伝送します。一方、移動局でも同様にGNSS信号の観測を行い、移動局で、またはその他の場所で、その観測結果を補正することにより、移動局での測位結果の不確定性を小さくすることができます。

RTK基準局の観測データを用いれば、リアルタイムでのセンチメートルオーダ測位が期待できます。 この基準局の観測データを利用するためには、搬送波位相を出力できる受信機と、インターネット接続が必要です。

このRTK基準局の観測データは、どなたでも、事前連絡なしに、無料でご利用いただけます。安定運用を目指していますが、ソフトウェアアップデート、機器故障、停電などのために、利用できないことのあることをご了承ください。この観測データは公共測量にはお使いいただけません。

RTK基準局

RTKは、基準局から約10 km範囲の場所で利用可能と言われています。広島市立大学のRTK基準局は、下記の通り、広島中心部の大部分で利用可能と考えられます。

circle of 10 km from the reference station

© OpenStreetMap contributors

サイレントシステムの善意の基準局掲示板には、広島市立大学以外の基準局も掲載されています。

接続情報

接続情報は次の通りです。

アドレスとポートntrip.phys.info.hiroshima-cu.ac.jp:80
配信サービスNTRIP Caster (ver 1)
ユーザ名なし(空欄)
パスワードなし(空欄)
プロトコルRTCM 3.2

次のマウントポイントを公開しています。RTK基準局としては、マウントポイントOEM7またはF9Pをご利用ください。

マウントポイントOEM7F9PROV
プロトコルRTCM 3.2RTCM 3.2RTCM 3.2
衛星システムGPS, GAL, GLO, QZS, BDS, IRNGPS, GAL, GLO, QZS, BDSGPS, GAL, GLO, QZS, SBAS
周波数帯L1, L2, L5L1, L2L1
アンテナ座標北緯 34.4401061 度
東経 132.4147804 度
楕円体高 233.362 m
同左北緯 34.44010 度
東経 132.41478 度
楕円体高 232.4 m
機器RTKLIB 2.4.3b34
NovAtel OEM729
Javad GrAnt-G5T
RTKLIB 2.4.3b34
u-blox ZED-F9P
Javad GrANT-G5T
RTKLIB 2.4.3b34
u-blox NEO-M8T (Emlid Reach)
Beitian BT-200
コメント基準局基準局測位練習用

マウントポイントF9Pに対応するu-blox生データをマウントポイントF9PRにて放送しています。

アンテナ座標は、2021年3月13日から17日にかけて国土地理院電子基準点「広島2A」を用いて決定した元期座標です(2021-03-27更新)。設置場所は、広島市立大学 情報処理センタ屋上(広島市安佐南区大塚東3-4-1)です。

これらのRTCMメッセージは、それぞれの機器の生データをRTKLIB 2.4.3b33にて処理し、出力しています。OEM729やZED-F9PそれぞれにあるRTCMエンジンを使わない理由は、私がRTKLIBにてRTCMメッセージを生成する方が楽しいと思うからです。

u-blox社ソフトウェアu-centerでの直接接続では、現在利用しているNTRIP Casterが接続と切断を繰り返すために、接続できないことがわかっています。すでにRTKを利用されている方は、機器にすでに専用の設定がされていて、上述の設定変更のみでは利用できないかもしれません。チュートリアルを用意しましたので、RTKLIBにてお試しください。

また、配信RTCMメッセージとメッセージ間隔秒数は次の通りです。

Type内容OEM7F9PROV
1005Station coordinates11
1019GPS Ephemerisononon
1020GLONASS Ephemerisononon
1033Receiver and antenna descriptor11
1041NavIC Ephemerison
1042BDS Ephemerisonon
1044QZSS Ephemerisononon
1045Galileo Ephemeris F/Nav (Free Navigation)on
1046Galileo Ephemeris I/Nav (Integrity Navigation)ononon
1077GPS MSM7110.2
1087GLONASS MSM7110.2
1097Galileo MSM7110.2
1107SBAS MSM710.2
1117QZSS MSM7110.2
1127BeiDou MSM711
1137NavIC MSM71
1230GLONASS L1/L2 code biasononon

MSM7=Full pseudo-ranges, carrier phases, Doppler and signal strength, high resolution

観測データアーカイブ

過去の観測データアーカイブを下記アドレスにて公開しています。

https://phys.info.hiroshima-cu.ac.jp/gnss/f9p/
https://phys.info.hiroshima-cu.ac.jp/gnss/oem7/

詳しくは「RTK基準局観測データアーカイブの試験公開 」をご覧ください。