Pocket SDRを用いたGalileo E6B信号の受信
高須知二先生(東京海洋大学)が公開されている、オープンソースのソフトウェア定義無線Pocket SDRを用いてGalileo E6B信号を抽出してみました。
高須先生の記事Galileo HAS (High Accuracy Service) 運用開始のスクリーンショットにある方法を用いて、Pocket SDRにて2022-09-30に収録したデータch2_20220930_115617.bin(1.4ギガバイトあります)を処理してみます。
$ pocket_trk.py ch2_20220930_115617.bin -f 12 -sig E6B -prn 1-36 -log e6b.txt
$ grep CNAV e6b.txt
$CNAV,1.882,E6B,21,FFFC15C5320C6126982E702F1DC74C3153FACB22B5AA2D0C818AB1A0314C34DB3899A194DE1DE382F4CEF18D8C124110A52CDCAE27B92FB40D18DFBE28
$CNAV,1.883,E6B,27,FFFC15C6601B940FC8843BE505E15FBD0BACF8934613AA08B74750B5B3784B2CC591E515B78B79DACB0B92A0A62DE206033DE8C6E752991EBEF2A10B88
$CNAV,1.887,E6B,19,2B26BCEF0C04F6711BF86137086A12C14F87C07B4C6AA4DE04BCEB8612C34C691BFABCECEB86BCED4F851BFB0C074C68613604BFF48448D33487C2D588
...
固定的でないデータが表示されました。みちびきがMADOCA-PPPの試験配信をはじめたときに、GalileoでもHASの試験配信をしていたようです。Pocket SDRは何でもできてすごいです。このメッセージ内容にとても興味がありますので、頑張ってデコーダを書いてみます。
また、高須先生が記事に書かれていた、NovAtel OEM729受信機に対するE6B信号の航法データ出力コマンドGALCNAVRAWPAGE
(Galileo衛星に対するC/NAVメッセージを生ページ形式で出力、の意味のようです)も試してみました。
OEM729受信機にはイーサネットインターフェースがあり、複数の受信機出力を複数TCPポートを用いて個別出力できます。そこで、私のOEM729受信機のICOM1ポート(TCP 3001番ポート)に上述のE6B生データ出力コマンドを送信し、一方でICOM4ポート(TCP 3004番ポート)にて受信した結果をNovAtel生データ表示コードnovdump.py
にて表示させます。nc
(netcat)は任意のTCPまたはUDPポートにアクセスするコマンドで、その-C
オプションは改行コードをCR+LF(carrige return and line feed)に変換するものです。
$ nc -C ssl-oem729 3001
[ICOM1]log icom4 galcnavrawpageb onchanged
<OK
[ICOM1]^C
$ nc ssl-oem729 3004 | novdump.py
MT2239 unknown 70 bytes
MT2239 unknown 70 bytes
MT2239 unknown 70 bytes
MT2239 unknown 70 bytes
MT2239 unknown 70 bytes
MT2239 unknown 70 bytes
[ICOM1]
はOEM729受信機のプロンプトで、<OK
はその応答メッセージです。Galileo E6B信号上にあるC/NAVメッセージがICOM4ポートに出力されたようです。
Galileo HASのインターネット配信について、EUSPA(European Union Agency for the Space Programme) GSC(GNSS Service Centre)からの返信メールに「specific research activity」を詳細に記述してくださいと書かれていました。この項目については、申請フォーム入力の際にも書き直しを求められ、このフォームの例にある「R&D」または「project」の語がないとフォーム送信できないようでした。EUSPAのGalileo High Accuracy Service (HAS)ページをもう一度よく読み、申請フォームを再提出しようと思います。
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