リフローでやらかしました
Pocket SDRハードウェアを追加製作したい
スーパーでスペシャルな超高性能GPS受信機「Pocket SDRハードウェア」を製作できたことが嬉しくて、さらに3台、製作しようと思いました。希望が湧いてきます。
製作に失敗した基板からICなどの部品を取り外し、またそれを別の基板につけるなどの作業が自由にできるようになり、細かい作業への自信がつきました。
鉛フリーはんだの利用
そして、この半導体不足の中、PCとの通信IC(Infineon CY7C68013A)や衛星信号受信IC(Analog Devices MAX2771ETI)をなんとか入手して、抵抗やキャパシタなどの部品も追加発注しました。細かい部品が多いので、基板3枚の部品を載せるために、約5時間を費やしました。
部品を載せる位置が多少ずれていても、基板に高温をかけてはんだ付け(リフロー)する際に自動で正しい位置に修正されると言われています(オートアライメント)。しかし、修正なしの1発動作を目指し、ピンセットで0.1ミリメートル単位での修正を行いました。
今回、クリームはんだとして、環境に優しい鉛フリーのものを用いました。よせばいいのに、いつもとちがうことをしたのです。楽しくなってきたため、試し作業をせずに、いきなり3枚ともリフローしてしまいました。
あ、使用するクリームハンダを変えたのに温度プロファイル(時間とともに逐次的に変化させる温度の設定)を見直すのを忘れていました。まあいいか。あれ、周囲温度が低いせいか、標準的な最高温度の摂氏250度に達しません。一般に鉛フリーはんだは融点が低いので、失敗の予感がしました。
リフロー大失敗
悪い予感はしていましたが、ご覧の通り、はんだが溶けずに、輝いていません。大失敗です。面白くなってきました。これは、神様が私に与えてくださった試練です。
このMAX2771ETIの右下にあるはずのキャパシタC42
は、どこかに脱走しました。
この写真上部の抵抗R9
やキャパシタC21
は、お辞儀しています(これくらいは余裕で修正できますけどね)。
悲しい気持ちでいっぱいですが、これから頑張って修正します。フラックス(はんだづけ促進剤)をはんだの上に塗って、再びリフロー作業をしてみようと思います。もちろん、今度は1枚ずつ作業します。
Linux上でのPocket SDRハードウェア利用
普段、私はPocket SDRハードウェアをLinux PCに接続しています。/etc/udev/rules.d/
に、例えば00-pocketsdr.rules
などのファイル名で以下の内容を保存すれば、rootでなくてもハードウェアにアクセスできるようになり、便利です。
# FX2
SUBSYSTEM=="usb",\
ATTR{idVendor}=="04b4", ATTR{idProduct}=="1004",\
GROUP="plugdev", MODE="0660"
Pocket SDR v.0.8からは、ハードウェアドライバとしてCyUSBを利用するようになりました。現在、LinuxドライバをCyUSBに対応することにチャレンジしています。
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