みちびきのPRN番号とMADOCAの将来

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みちびきのPRN番号

アラートオフ状態のみちびき初号機後継機からの信号を受信して、その高精度補強信号MADOCA(Multi-GNSS Advanced Demonstration tool for Orbit and Clock Analysis)配信を確認しました。そのときに設定したPRN(擬似ランダム雑音: pseudo random noise)番号は206です。このPRN 206をどこかで聞いたことがあると思いました。

測位衛星受信機は、衛星をPRN番号やSVID(space vehicle identification)番号にて識別します。そして、きっと多くの人は、受信機に表示された番号から衛星を思い浮かべていることと思います。例えば、PRN 194 またはSVID 2(J02)は「みちびき2号機」の測位信号という具合です。PRN 184は、10を足すと194なので、「みちびき2号機」のSLAS(submeter level augmentation service)信号であるとわかります。PRN 204は、10を引くと194なので、「みちびき2号機」のMADOCA信号であると容易に想像できます。

みちびき初号機にはPRN 193(J01)、2号機にはPRN 194(J02)、静止衛星の3号機にはPRN 199(J07)、4号機にはPRN 195(J03)、初号機後継機にはPRN 196(J04)が、それぞれ割り当てられました。

みちびき7機体制のときのPRN番号

みちびき5号機のPRN番号は197(J05)が予定されていますが、それ以降はやや変則的です(インターフェース仕様書IS-QZSS-PNT-004の25ページの表3.2.1-1)。6号機のPRN番号は200(J08)、7号機のそれは201(J09)が予定されています。そして、みちびき7機体制になると、L1周波数帯の信号がL1 C/A(coarse acquisition)からL1 C/B(coarse acquisition with binary offset carrier?)に変更され、誤ったタイミングでのコード引き込みを防ぐために、PRN番号が変更になります。

そこで、IS-QZSS-PNT-004や、SLAS仕様書IS-QZSS-L1S-004、CLAS仕様書IS-QZSS-L6-004に書かれている衛星とPRN番号との関係を、PRN番号にてまとめました。PNTは測位(position, navigation, and timing)信号を、CLASはcentimeter level augmentation service配信信号を、MDCはMADOCA配信信号を、また括弧書きは今後の予定を表します。

PRN衛星と信号
183J01SLAS
184J02SLAS
185J03SLAS
186J04SLAS
187(未決定)
188(未決定)
189J07SLAS
190(未決定)
191(未決定)
192
193J01PNT, J01CLAS
194J02PNT, J02CLAS
195J03PNT, J03CLAS
196J04PNT, J04CLAS
197(J05PNT, J05CLAS)
198(J06非標準コード)
199J07PNT, J07CLAS
200(J08PNT, J08CLAS?)
201(J09PNT, J09CLAS?)
202(J10非標準コード)
203(J04PNT L1 C/B)
204J02MDC (J05PNT L1 C/B)
205J03MDC (J08PNT L1 C/B)
206J04MDC (J09PNT L1 C/B)
207(MDC?)
208(MDC? 非標準コード)
209(MDC?)
210(MDC?)
211(MDC?)
212(MDC? 非標準コード)

みちびき5号機以降では、SLAS信号が送信されないことになっています。また、PRN 200, 201, 207〜212にて疑問符があるのは、IS-QZSS-L6-004はSVIDの記載がなく、過去のPRN割当から推定したものだからです。

私がつらいと感じるのは、PRN番号204から206までの割り当てです。周波数帯が異なるものの、異なる衛星に対して、同一のPRN番号が割り当てられる予定になっています。

L1 C/B信号のPRN番号をL1 C/A信号のPRN番号に10を加えたものにできたら、とてもわかりやすいです。PRN 187, PRN 188などをPNTに利用できるのでしたら、L1 C/Bにはこれらを利用しても良いように思います。私の知識不足か、また、私が何か誤解しているのかもしれません。

みちびきから放送されるMADOCA配信

みちびきのL6E信号にて放送されるMADOCA配信は技術実証です。誰でも無料で利用できます。一方、インターネットのNTRIP形式にて配信されるMADOCAは、商用の有償サービスです。

L1 C/A信号からL1 C/B信号への切り替えのときに、現在はPRN番号204から206までのL6E信号MADOCAがグレードアップして、それに伴い、PRN番号も変更になるかもしれません。L1 C/B信号への変更は2024年頃の見込みです