Sony製ボードマイコンSpresenseの体験

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背景

Sonyがオープンハードウェアのボードマイコンを発売しました。Arduinoやmbedよりも高速に動作し多機能で、Raspberry Piよりも容易に扱えることを目指したボードマイコンです。Arduino IDEを用いても、専用ツールを用いても、ソフトウェア開発を行うことができます。特徴や詳細はSpresenseのホームページをみてください。

私は、低消費電力で、ハイレゾリューションオーディオやカメラインタフェースや高速microSDインタフェースを持つマイクロプロセッサ部分にも興味がありますが、特にGPS(マルチGNSS)受信機がここにも搭載されていることに着目しました。Sony LPWAのキーアイデアの一つとして時刻同期があります。マルチGNSS受信機は、相関演算を行うために、本質的に消費電力が大きくなりがちです。低消費電力でGNSSを実現する点で興味があります。Wi-FiやBluetoothインタフェースはついていません。サンプルスケッチにUSBタイプのWi-Fiを利用する例がありました。

価格はArduinoよりも、そして、拡張ボードも購入したらRaspberry Piよりも高額です。しかし、Sonyが作ったなぜボードマイコンを発売したのかが知りたくて、試してみました。拡張ボードがなくてもGNSS機能などは試せます。拡張ボードにはmicroSDカードインタフェース、ハイレゾリューションオーディオ用のソケット、Arduinoのシールドの使えるピンがついています。

外観

パッケージはArduinoなどと同様の厚手の紙でできています。SpresenseのSをあしらったパッケージデザインです。 spresense package

表面の写真です。本体はArduinoやRapberry Piよりもずっと小さく、mbedよりもやや小さく、Intel Edison本体よりもやや大きいです。当然ですが、拡張ボードをつけるとArduinoと同サイズになります。 spresense front

裏面の写真です。本体の裏面にはB2Bコネクタと称する、Intel Edisonに似たコネクタがついています。Intel Edisonのコネクタは最大挿抜回数が20回であることが明記されていましたが、Spresenseの最大挿抜回数はみつけられませんでした。 spresense back

そして、本体を拡張ボードに接続すると、Arduinoインタフェースを備える高性能ボードマイコンの出来上がりです。 spresense back

実験

Arduino IDEを使って、はじめに本体LEDの点滅(通称Lチカ)を試しました。4つのLEDが順に点滅するものです。これはうまくいきました。

次に、オーディオ機能を試してみました。Arduino IDEにあるコンソールモニタにmicroSDカードに置いた「MP3再生ライブラリが見つからない」というエラーが出ていました。

次に、microSDカードを読み書きする機能を試しました。はじめはmicroSDカードを読むことができなかったのですが、複数回、試しているうちに読めるようになりました。うまくいくときと、うまくいかないときがありました。microSDカードとSpresenseとの相性があるようです。

最後に、GNSS機能を試してみました。GNSS機能のサンプルスケッチには、GNSS受信状態を示すものと、GNSS受信データをNMEA形式でmicroSDカードに保存するGPSトラッカがありますが、ここでは屋外で前者を試してみました。マニュアルには数分でGPS衛星を捕捉すると書かれていますが、10分待っても捕捉できなかったので諦めました。

今回はうまくいきませんでしたが、また試してみたいと思います。