RTK基準局の2周波数化
以前からRTK基準局を2周波数化して性能を高めたいと思っていましたが、ようやく実現できました。GPSやQZSSでのL1帯とL2帯との2周波数です。
写真にある2周波数アンテナをMini Circuitの2分岐スプリッタを通して、Emild REACH(測位チップはu-blox NEO-M8T、1周波数)とu-blox ZED-F9P(2周波数)モジュールとに供給しています。ZED-F9PをマイコンRaspberry Pi 2にUSB接続して、RTKLIBのstr2strを用いてNTRIPサーバに転送しています。アンテナは中国のAliExpressにて購入したGN-GGB0710です。価格が75USDと安価であるのにも関わらず感度が高く、多くの衛星信号をキャッチします。マウントポイントや、観測している衛星信号などの速報は善意の基準局掲示板の広島市立大学欄をご覧ください。近いうちにドキュメント化します。
5/8インチネジは測量の世界では標準のようですが、そのアンテナ固定方法がわからずに試行錯誤の苦労をしました。アンテナが斜めに付いているように見えるかもしれませんが、レベルを使ってアンテナが水平になるように調整しています。
アンテナの位置を若干変更しましたので、座標の再測定が必要になりました。暫定的にMADOCAを使って座標を求めてみました。RTKLIBをJAXAのMADOCA利用例の通り設定して、Roverをこのマウントポイントに変更して、6時間MADOCAでの観測を続けました。その後RTKPLOTの画面クリアを行い30分継続観測しても1 cm程度しか動きませんでしたので、その座標値を放送するように設定しました。
実は、今年4月初旬に別のアンテナでチャレンジしています。ラトビア共和国の有名なGNSS通販ショップから購入したアンテナで、Taoglas社のものに似ているとうわさのアンテナです。ところが、私の場合には、屋上に設置すると、ほとんどの衛星信号受信できなくなるトラブルがありました。地上ではやや感度が悪いかな、という状況でした。アンテナのアース板をはずすと少し感度が高くなり、さらにアンテナを横に寝かすとさらに感度が高くなる状況でした。解決法が思いつかず、結局、そのときは2周波数化を断念して、もとのアンテナに戻しました。私の使い方に誤りがあったのかもしれません。
近いうちに、国土地理院の電子基準点観測成果とF3解を用いたRTKを行って座標決定します。さらにセミダイナミック補正を行った座標値の放送も予定しています。