ソフトウェア無線機USRP B205mini-iのケース

category: radio
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研究の世界では、特定用途向けに専用無線機を試作せずに、汎用無線機とソフトウェアとの組み合わせで試作することが多くなりました。このような機材を、ソフトウェア無線、ソフトウェア定義無線、またはSDR(software defined radio)と呼びます。

USRPは、Ettus Researchのソフトウェア無線機です。イーサネット接続可能なNシリーズのものが無線研究者の間で広く利用されていますが、私はボードタイプのBシリーズの一つ、B205mini-iを持っています

これまで、私はB205mini-iをAliExpressで購入した安価なケースに収めていました。

USRP B205mini-i with a cheaper enclosure

今回、新たにB205mini-iの専用ケースを購入して、その良さを知りました。他のUSRP向けのケースも販売されているので、購入時にはパーツ番号の確認が必要です。B205mini-iに適合するケースのパーツ番号は、6002-240-011です。

USRP B205mini-i with the enclosure

私がやや高価な専用ケースキットを購入した理由は、温度拡張が達成できることにあります。通常のB205mini-iの使用温度範囲がセ氏0度から45度までであるのに対して、このケースに収めたその使用温度範囲はセ氏-40度から75度にまで拡張されます!屋外観測用途においてこの温度拡張は魅力です。また、このケースに収めたB205mini-iは、とてもコンパクトで、破損の心配なく、気軽に持ち運べるようになります。

このケースキットは、上フタ、下フタ、放熱パッド付き放熱板から構成されます。放熱パッドは、ADコンバータ、FPGAを覆い、その熱をケース全体を使って逃すようになっています。ネジは六角形星型のTORX(トルクス)ネジです。

USRP B205mini-i enclosure

懇切丁寧な説明書もついていて、組み立てに迷うことはありませんでした。

USRP B205mini-i with a cheaper enclosure

私は、以前に秋月電子でUSRP B205mini-iボードを10万円を少し切る価格で購入しました。現在は、18万円程度で販売されています。

機材は活用してなんぼです。ボードマイコンASUS Tinker BoardをRaspberry Pi 3B用のファン付きケースに収め、これとB205mini-iを大学屋上に設置して、色々な電波をリモート観測してみようと思います。

ASUS Tinker Board and enclosure