みちびき新MADOCAの試験配信予定
準天頂衛星みちびきのL6E信号から、現在、実証試験のMADOCA(Multi-GNSS Advanced Demonstration tool for Orbit and Clock Analysis)が放送されています。
みちびきホームページでのアナウンス「高精度測位補強サービス(MADOCA-PPP)の試験配信について」によると、8月18日から31日にかけて、新しいフォーマットのMADOCA(MADOCA-PPP)が放送されます。9月30日より試行運用、2024年から本運用を行うそうです。
MADOCA-PPPの仕様書(IS-QZSS-MDC-001)は既に公開されています。QZS L6 Toolでも、このMADOCA-PPPを認識して、復号できるはずです。CLASや現行MADOCAと比較して、補強対象衛星数や補強対象衛星を比較してみたいと思います。
例えば、L6E信号を受信できる信号受信モジュールHD9310の生データがホスト名rpi2b、ポート番号2005に出力されるように設定されていれば、
nc 192.168.0.1 2005 | ./alst2qzsl6.py -l | ./qzsl62rtcm.py
にてMADOCA-PPPが復号できる見込みです。これをRTCM 3メッセージに変換する部分を実装して、RTKLIBにてPPP測位できるようにしてみたいです。
信号認証メッセージQZNMA(quasi-zenith satellite navigation message authentication)について、そのフォーマットを規定する仕様書IS-QZSS-SAS(signal authentication service)はまだ公開されていなくて、今回の試験配信でも「QZNMAのデータが格納される箇所については無効値をセットする」とされています。MADOCA-PPP配信では、QZNMAが途中に配信されるようになっていますので(IS-QZSS-MDC-001の8ページ参照)、MADOCA-PPPにてQZNMAへの言及があるのです。IS-QZSS-SASが公開されたら、QZS L6 Toolでも解読できるようにする予定です。
「試験配信中は、現行のMADOCA(実証信号)はご利用できません。」とあります。現在、L6E信号で配信されているGPASのMADOCAが、将来にはこのMADOCA-PPPにおきかえられるのかもしれません。