NovAtel OEM729新ファームウェア7.08.10公開
はじめに
カナダのGNSS(global navigation satellite system)機器メーカNovAtel(ノバテル)のOEM729受信機を利用しています。新ファームウェア(バージョン7.08.10, 2022-01-25)が出ていましたので、早速、アップグレードしてみました。
ウェブインターフェースによるアップグレード
OEM729サポートページを開き、Firmware DownloadsにあるOEM7 WebUIと、7.08.10 FirmwareそれぞれのZIPファイルリンクからダウンロードします。
Firmware Downloads
OEM7 WebUI VER 2.6.1 (2020-09-16) ZIP
7.08.10 Firmware VER 7.08.10 (2022-01-25) ZIP
WinLoad VER 1.00199 ZIP
これらのZIPファイルを解凍して、OEM729受信機のウェブインターフェースのUPDATE
ページのCHOOSE FILE
にてファームウェアファイルを指定し、UPLOAD
をクリックします。
現在のファームウェアバージョンは7.08.00(OM7MR0800RN0000)、更新するバージョンは7.08.10(OM7MR0810RN0000)です。
同様に、Web UI(user interface)のファームウェアも、バージョン2.6.0(WWCM010206RN0001)から2.6.1(WWC010206RN0101)へと、アップグレードします。
リリースノートによると、ファームウェアバージョン7.08.10での機能追加は、購読制オプションのTerraStar C-PROに関するものが中心ですが、一方で「Improved multipath mitigation using a new correlator type」とも書かれています。
また、リリースノートには、BeiDouに関して「Use the almanac to determine the satellites in view」「Prioritize MEO satellites for tracking」と書かれており(何でだろう…?)、Galileoについては「Defaults to tracking Galileo E6B signal (previously defaulted to E6C)」と書かれています。特定衛星を排除する新コマンド「LOCKOUTSATELLITE」「UNLOCKOUTSATELLITE」も追加されています。
細かい設定をするためにはコマンドリストも必要になりますので、更新されたものをダウンロードします。PDF DocumentsからOEM7 Receiver Cardsを選び、OEM7 Commands and Logs Reference Manualをクリックします。
ファームウェアバージョン7.08.10での対応信号
LOG CHANCONFIGLIST
コマンドにて確認した新ファームウェアの対応信号と衛星数は次のとおりです。
みちびき初号機後継機の運用開始後は、みちびきL6信号受信を観測できない見込みですので、私にとって、このOEM729受信機のQZSS L6
の優先度は低いです。一方、インドのNAVIC(Navigation for Indian Constellation)は是非とも加えたいところです。よく見ると、みちびきの追跡衛星数が6になっている構成があります。チャネル構成は#6に決めました!
SELECTCHANCONFIG 6
ファームウェアアップグレード後
Webインターフェースを確認して見ると、Galileoの信号部分が、ALTBOC、E1C、E5AQ、E5BQのほかにundefinedと書かれたものがありました。信号undefinedには、信号レベルの値が表示されていませんでした。Web UIの公開が遅れているからかもしれません。
NovAtel受信機は、継続的に新ファームウェアが提供され、また、その更新も簡単で、ありがたいです。タイミングよくOEM729を導入できて、本当によかったです。これからも新ファームウェアを楽しみにしています。