温湿度・気圧・加速度センサデータのSigfox経由での収集
はじめに
Una Shiled V2Sを使ったSigfoxの体験の続きです。
Sigfox評価ボードUna Shiled V2Sには、温度、湿度、気圧、および加速度センサが搭載されています。それらのセンサ全てのデータをSigfoxにて伝送してみました。
Sigfoxの開発ボードUna Shiled V2Sには、ボッシュの温湿度気圧センサBME280と、NXPの加速度センサMMA8451が搭載されていますが、公開されているArduinoサンプルプログラムはBME280のセンシングデータをSigfoxネットワークに送信するところまでです。今回は、BME280とMMA8451のセンシングデータをSigfoxに送信して、そのデータをwebhookにて送信して、データを蓄積するところまでを考えてみます。
Una Shieldと、Arduino Uno(またはその互換ボード)と、USB電源を繋いでおいておくだけで自動的に温度、湿度、気圧、ボードの傾き(加速度センサ)をクラウドに送信することができます。Sigfoxネットワークの送信回数制限により1日に収集できる情報は140回までになりますが、それでも15分おきにこれらの情報を収集できるのは楽しいです。
1回に送信できる内容は12バイトまでです。そのため、温度、湿度、そして気圧をそのまま2バイト整数で、xyz方向の傾きを表す3次元加速度をそれぞれ10倍した後に2バイト整数にして、合計12バイトにします。
Arduino IDEへのBME280ライブラリとMMA8451ライブラリの導入
Adafruit社のAdafruit Unified Sensor Driver、Adafruit BME280 Library、およびAdafruit MMA8451 Accelerometer Driverのそれぞれで、「Clone or download」ボタンを押し「Download ZIP」でライブラリをダウンロードします。
Arduino IDEの「スケッチ」「ライブラリをインクルード」「.ZIP形式のライブラリをインクルード…」の順に選択して、上述の3つのZIPライブラリを順にインクルードします。
次に「ファイル」「新規作成」を選び次のプログラムを入力します。
このプログラムをコンパイルしてArduino Uno+Una Shieldのボードに転送します。
Sigfox Backend Cloudでのwebhookの設定
Sigfox Backend Cloudにログインして、 上部の「DEVICE TYPE」、Name欄のUnabiz、左側の「CALLBACKS」、右側の「New」の順にクリックして、Custom payload欄に
temp::int:16:little-endian humid::int:16:little-endian press::int:16:little-endian x::int:16:little-endian y::int:16:little-endian z::int:16:little-endian
を入力します。そして、Body欄には
{
"device": "{device}",
"time":"{time}",
"station":"{station}",
"rssi":"{rssi}",
"snr":"{snr}",
"data":"{data}",
"seq": "{seqNumber}",
"temp":"{customData#temp}",
"humid":"{customData#humid}",
"press":"{customData#press}",
"x":"{customData#x}",
"y":"{customData#y}",
"z":"{customData#z}"
}
とします。その他の設定やwebhook受け取り方は日本で容易に入手できるUna Shiled V2Sを使ってSigfoxを体験するを参考にしてください。
終わりに
Arduino Uno、Una Shileid、USB電源を接続したボードの情報が次のように収集されるはずです。
device: xxxxxx
time: xxxxxxxxxx
station: 50E3
rssi: -123.00
snr: 9.48
data: 11003600f003f4fff1ff5f00
seq: 2791
temp: 17
humid: 54
press: 1008
x: -12
y: -15
z: 95
これは、気温がセ氏17度、相対湿度が54%、気圧が1008 hPaであることを示しています。また、x, y, z方向の加速度がそれぞれ-1.2 m/s^2, -1.5 m/s^2, 9.5 m/s^2であることを示していますが、重力加速度は9.8 m/s^2なので、ボードが少しだけ傾いていることがわかります。
久しぶりにSigfox Backend Cloudにログインしたら「The feature send duplicate and the following information: snr, station, avgSnr, lat, lng, rssi, will not be available anymore for customers in the DATA callback feature from the first of June 2019.」のメッセージが赤で表示されていました。信号対雑音電力比(snr)や信号強度(rssi)が来年6月初旬から表示されなくなるそうです。また、「Send duplicate」をオンにするとsnrやrssiやstationの異なるデータも表示され、3回の送信を異なる3基地局で受信していることがわかりましたが、これもなくなるそうです。この先に、信号対雑音電力比と非公開の基地局位置とをSigfoxネットワーク処理して、マルチラテレーションなどによりユーザ位置を推定するサービスにつながることを期待しています。