広島上空でのSBAS信号の確認

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東京海洋大学の高須先生が2020年5月8日の日記・備忘録にQZS-3 SBAS(L1Sb)信号の受信を確認と書かれていました。

私は、RTKLIBのRTKNAVIにSBAS(satellite-based augmentation system、エスバスと読む)メッセージ復号機能があることを今まで知りませんでした。しかも、わかりやすく表示されています。これは面白いと思いまして、早速、私もSBAS信号を確認してみました。SBAS信号とは、航空機向けの測位精度補強と完全性を示す信号です。

SBAS signals from QZS 3 and GAGAN

私のところでは、PRN(pseudo random noise:擬似乱数雑音番号)128とPRN137の信号が確認できました。PRN128がインドGAGAN GSAT-10のSBAS信号のもので、PRN137が日本の内閣府が運用するみちびき3号機(QZS-3)または運輸省多目的衛星MT-SAT2号機のSBAS信号のものです。

図から、両者共に、Fast Correctionsメッセージや、Long Term Satellite Error Correctionsメッセージなどの、SBAS信号が放送されていることがわかります。

確か2006年頃に、MT-SATでのSBAS試験信号が送信されました。私は、海外通販で手に入れたハンドヘルド受信機Garmin eMAPのWAAS(wide area augmentation system、ワーズ)受信機能を使い、試験信号送信スケジュールを神戸航空衛星センターのホームページで確認して、この試験信号を受信しようとしたことを思い出しました。受信機画面にそのPRNが表示されたときは、アメリカの空だけでなく日本の空にもにもRNAV(random navigation、アールナブ、電波標識や地上目標に頼らずにGNSSにより自らで現在地とウェイポイントを同定する航法)が来て、そして、先進的な機能を人よりも先に体験している気がして、とても嬉しかったです。

~~L1C/A assignmentみちびきFAQからは、PRN137がQZS-3のものか、またはMT-SAT-2のものかは、わかりませんでした。~~2020年からはQZS-3からSBAS信号が送信されることになっています。高須先生は、5月9日の記事にて、このPRN137の信号がQZS-3からのものであることを検証されています(5月11日追記)。

一方、私のところでも、PRN129(MTSAT-1RからのSBAS信号)の信号は受信できませんでした。一瞬、PRN129が見えたような気がしましたが…。

使用受信機は、u-blox NEO-M8T受信モジュールを搭載した、Emlid Reach RTKです。Emlid Reach RTKは、TCPポート番号2000番にて内部のu-blox NEO-M8Tのシリアルポートに接続できます。RTKLIBのRTKNAVIを使い、TCP clientでEmlid Reach RTKに接続して観測しました。