Raspberry Pi Zero WHを用いたLED警報ライトの製作
近年、スーパーマーケットなどでも見かけるLED警報ライトは、遠くからでも機器の動作状態がわかり、便利です。パトカーなどに用いられている警報ライトは、電球とモータを組み合わせていますが、民生用ではLEDが便利です。
しかしながら、多くのLED警報ライトの電源電圧は24 Vです。そこで、小型マイコンRaspberry Pi Zero WHと、5 V電源を24 Vに昇圧できるテキサスインスツルメンツLMR562421を使い、5 V単一電源かつWi-FiでコントロールできるLED警報ライトを作りました。プログラムにより自由に警報色を選べ、さらに自由時間間隔での点滅もできます。
このLED警報ライトはアノードコモンで、赤、黄、緑の発光と、ブザーの鳴動ができます。各色のカソードとアースとのスイッチングデバイスとして、nチャネル・エンハンスメント型のMOSFETを使いました。このMOSFETのゲートは、10キロオーム抵抗でプルダウンしながら、Raspberry PiのGPIOポートに接続しました。予めこのLED警報ライトの電流を測定したところ、それぞれの発光・鳴動で10ミリアンペア程度で、全部の端子をオンにしても、29ミリアンペアでした。この耐圧があるMOSFETならいずれでもこのスイッチングデバイスとして利用できますが、ここでは手持ちのフェアチャイルドBS170を使いました。LED警報ライト自体はAliExpressから取り寄せました。
赤色に対応するMOSFETゲートをRaspberry PiのGPIO26に、黄色をGPIO19に、緑色をGPIO13に、ブザーをGPIO6に、それぞれ接続しました。そしてケースに納めました。Wi-FiでRaspberry Piに接続するので、このLED警報ライトタワーに接続するのは5 Vのバレルジャックだけであり、便利です。
Raspberry Piにリモートログインして、以下のコマンドを入力して、上述のGPIOポートを出力に設定します。
$ sudo apt update; sudo apt install -y wiringpi
$ gpio -g mode 26 out
$ gpio -g mode 19 out
$ gpio -g mode 13 out
$ gpio -g mode 6 out
その後、例えばgpio -g write 26 1
とすると警報ライトは赤色に点灯し、gpio -g write 26 0
で消灯します。本体がやや傾いているのは、ご愛嬌です。
Raspberry Pi 3では、各色の点灯とブザーの全てが利用できました。しかし、なぜかRaspberry Pi Zeroでは、ブザーを鳴らすとリブートがかかる現象に悩まされました。結局、解決できませんでした。モールス符号で警報状態を通知できるようにしようと思っていたのに残念です。
RTK基準局の動作状態表示や、みちびきの災害・危機通報表示に活用しよう…と思っていたところ、しばらくして、黄色が点灯しなくなり、その後、焦げ臭い匂いがしました。LED警報ライトに直接、24ボルト電源を接続しても、黄色だけは点灯しないのです。LMR56421には保護回路がついていないので、やむなく、今は利用していません。
LED警報ライトは多くの用途に利用できるので、いずれ再チャレンジしたいです。