私について

S.Takahashi 高橋 賢(たかはしさとし)
博士(工学)
広島市立大学 准教授
〒731-3194 広島市安佐南区大塚東3-4-1

概要

私自身は、無線通信やレーダなどの電波利用に興味を持ち、関連する実験や計算機シミュレーションを行っています。無線通信は、スマートフォンなどでもお馴染みですが、ここでは自由空間でのデータ伝達そのものを指します。これまでに、電波伝搬の解析方法、車両間通信方法、データを高速無線伝送するための信号処理方法、微弱な電波をキャッチする方法の研究に取り組んできました。実践および理論の両面での研究を行いながら、成果を挙げてゆきたいと考えています。

略歴

  • 2005年4月より 広島市立大学 助教授(2007年より准教授)
  • 2002年4月から2005年3月まで 独立行政法人通信総合研究所(現在、国立研究開発法人情報通信研究機構) 研究員
  • 1996年7月から1997年10月まで 郵政省通信総合研究所 特別研究員
  • 1996年4月から1999年6月まで 株式会社ワイ・アール・ピー移動通信基盤技術研究所 研究員
  • 1995年4月から2002年3月まで 株式会社日立製作所 技師
  • 1992年4月から1995年3月まで 株式会社日立製作所 研究員
  • 1992年3月 東京電機大学 工学研究科 修士課程修了
  • 1990年3月 東京電機大学 工学部 電気通信工学科卒業

活動

  • 電波伝搬を高速に計算する「評価点摘み取り法」と、電波伝搬をより精密に計算する「ランダム位相合成レイトレース法」を提案しました。プログラミング言語C++を用いて自ら提案法を実装して、社内向けの事業用PHS基地局自動配置設計ツールとして実用化しました。その成果は1994年10月14日の日刊工業新聞に掲載されました。
  • 電波の伝わる空間を精密測定する遅延プロファイル測定装置を開発して、総務省より3 GHz帯、8 GHz帯、16 GHz帯にて100 MHz帯域の電波実験局免許を受けました。その装置を用いて、東京八重洲地区や横須賀地区で実験を行い、1 km以上の距離を伝搬する遅延プロファイル(電波経路)を世界で初めて観測し公表しました(1998年9月)。この測定に基づく成果は、国際標準勧告ITU-R P.1411(電波伝搬を推定する方法)の修正提案として承認されました。また、60 GHz帯電波を用いる自動車間の高速通信装置を開発して、その測定データから安全情報伝達や自動ブレーキ補助への応用の可能性を示しました(2003年10月)。
  • その後、MIMO(multiple-input multiple-output)移動無線通信の動作特性、周囲の電波環境を認知して無線通信設定するコグニティブ無線の動作解析、車載衝突防止レーダの雑音抑圧方法,ディジタルテレビ放送ISDB-T(Integrated Services Digital Broadcasting-Terrestrial)の制御信号に含まれる緊急警報放送自動起動信号の高信頼受信方法、GPS(Global Positioning System)などの測位衛星電波による高精度位置計測など、移動無線通信に関する動作解析の研究に取り組んできました。
  • 移動無線通信においては、理論と実際との間に乖離のあることが多く、そのギャップを埋めることをライフワークにしています。

所属学会

  • 測位航法学会 (IPNTJ: The Institute of Positioning, Navigation and Timing of Japan) 正員 (2018-現在)
  • 電子情報通信学会(IEICE: The Institute of Electronics, Information and Communications Engineers) シニア会員 (1989-現在)
  • IEEE (The Institute of Electrical and Electronics Engineers) Member (1995-現在)
  • 映像情報メディア学会 (ITE: The Institute of Image Information and Television Engineers) 正員 (2010-現在)
  • 情報理論とその応用学会 (SITA: Society of Information Theory and its Applications) 正員 (2003-2008)
  • 情報処理学会 (IPSJ: Information Processing Society of Japan) 正員 (1990-2021)

受賞歴

  1. 電子情報通信学会, 通信ソサイエティ活動功労賞(コミュニケーションシステム研究会専門委員としての貢献), Sept. 2022.
  2. 電子情報通信学会, 通信ソサイエティ活動功労賞(論文査読に対する貢献), Sept. 2019.
  3. 電子情報通信学会, 通信ソサイエティ活動功労賞(論文査読に対する貢献), Sept. 2016.
  4. 電子情報通信学会, 通信ソサイエティ活動功労賞(通信方式研究会幹事に対する貢献), Sept. 2016.
  5. 電子情報通信学会, 通信ソサイエティ活動功労賞(論文査読に対する貢献), Sept. 2012.
  6. 電子情報通信学会, 通信ソサイエティ活動功労賞(論文査読に対する貢献), Sept. 2009.
  7. 電子情報通信学会, 通信ソサイエティ活動功労賞(論文査読に対する貢献), Sept. 2006.
  8. 電気通信普及財団, テレコムシステム技術賞, March 2003.
  9. IEEE Antennas and Propagations Society Japan Chapter, Young Engineer Award, Dec. 2000.
  10. 電子情報通信学会, 学術奨励賞, March 1999.