電子情報通信学会宇宙・航行エレクトロニクス研究会(電子航法研究所調布本所)
電子航法研究所(ENRI)調布本所
電子情報通信学会 宇宙・航行エレクトロニクス研究会(SANE研、さねけん)の1月研究会は、2024年12月20日に、国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 電子航法研究所の本所にて開催されました。
電子航法研究所、通称ENRI(えんり、Electronic Navigation Research Institute)は、航空や宇宙に関する電子機器の研究を行う国立研究所です。2024年1月に仙台市にある岩沼分室を訪問しましたが、今回は東京都調布市にある本所を訪れる機会に恵まれました。
ENRI正門からは、航空機からの電波をキャッチする大きなレーダーアンテナが見えます。とてもワクワクします。
入館証の交付を受け、12月SANE研に参加します。
いつも素晴らしい会場にて学会参加でき、ありがたく思っています。私は早い時間に到着しましたので、まだ、席に余裕がありました。
私の発表タイトルは「準天頂衛星みちびきL1S信号の移動受信実験」で、内容は測位衛星が放送する電波の受信に関するものです。
SANE研の最後には、ENRIの施設を見学させていただきました。最初に見せていただいた施設は、ドローンに関するものです。広い屋内空間で思い切りドローンを飛ばすことができる場所で、滑走路脇にある精密進入経路指示灯(PAPI、Precision Approach Path Indicator)の自動検査などへの適用を想定されているそうです。ドローン搭載のカメラで撮影した映像は、PCにて自動分類されていました。
次に見せていただいた施設は、外にあるレーダーにてキャッチした航空機電波をモニターするものです。航空機に質問電波を出し、航空機からの応答電波をプロットしています。刻々と移動する航空機を観察できて、興味深かったです。ソフトウェア無線なども研究されていました。
JAXA調布航空宇宙センター展示室
ENRI調布本所の隣には、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の調布航空宇宙センターがあります。SANE研の昼休みに、その展示室に行ってみました。入場無料です。正門入口にて入館証の交付を受け、展示室に行ってみます。
大きな展示室ではないかもしれませんが、飛行機やロケットに関する興味深い展示がありました。研究会昼休みの短時間での見学でしたが、楽しみました。
NTT技術史料館
SANE研前日に、同じ調布市内にあるNTT技術史料館に行ってきました。ここは、木曜日と金曜日の13時から17時までの開館です。ずっと行ってみたかったのですが、今回、SANE研が金曜日開催になりましたので、初めて訪れることができました。入場無料です。
ここには、本物のクロスバー交換機、D60ディジタル交換機、D70ディジタル交換機、ISM(ISDN Service Module)、新ノード、DIPS(NTTが研究開発していたコンピュータ)、CAPTAIN(インターネットが普及するずっと前に、カラーにて図形情報や漢字を伝送できる当時最先端のユーザ端末)、DEMOS-E(科学技術計算)端末などがあり、とても感動しました。
決まった時間にあらかじめ予約すると、NTT研究者OBの方に施設をご案内いただけるそうです。ツアーは不定期にもあり、実は、私は他の不定期ツアーに勝手について行きました…。興味深いお話をたくさん聴けて、楽しかったです。
私は大学卒業まで横浜に住んでいて、小学生の頃には、今はもうない横浜の青少年センターや、マリナード地下街にあったNTTの技術展示館、東京の逓信博物館、電気通信科学館で、当時の最新の通信機器を自由に見ることができました。
今では、マニア向けのこのような博物館はとても少なくなりましたが、ここにその通信機器のすべてが集まっている感じがしました。今度、また、ゆっくりと訪れたいです。